DOG TOWN FACTORY
DOG SPORTS SCENE JAPAN
トレーニングのちょっとむずかしい話
強いチームづくりのためのトレーニングメソッドや食餌管理についてのお話。
トレーニングの考え方 トレーニングメソッド
@コンディショニングを忘れないで

トレーニングに入る前の基本は、犬たちの体調を良い状態に保っていること。太りすぎ、やせすぎ、個体差はありますが、骨盤の間にある脊椎の上に2〜3o程度の肉(皮下脂肪)がのっている位が目安です
「4月〜9月

バランスのとれた良い食餌管理がコンディショニングの基本です。(詳しくは、食餌管理の項でお話しします。)コンディショニングのうまくいったチームは、トレーニングを開始する段階で既に300q分のトレーニングを済ませたのと同じと言われるほどです。
Aやさしいことから始めよう

犬たちが楽にクリアできるトレーニングから始めるのが基本です。犬たちのトレーニングに対するイメージをいつも楽しいものにしてゆくことが、何より大切で特にこの時期はスピードを求めるトレーニングは必要ではなく、基礎的な筋力や関節の強化をじっくり行うことが大切です。犬たちは楽しいトレーニング の中で少しずつフィジカル面の自信をつけて、より積極的にタグラインを引くようになります。又、この時期の特徴として犬たちは約半年間の休養の後なので、ナチュラルに走ることを求めて、とてもテンションが高く、とても騒がしいトレーニングになります。マッシャーの冷静な態度が要求されます。この時期、犬たちにあおられてしまい、冷静に行動できないようでは、犬たちからの信頼を獲得できません。マッシャーに対する信頼の薄いチームの犬たちは、決して全力を出しきりません。忘れないで下さい。
「10月初旬〜11月上旬」

この時期は日本中どこでもバギートレーニングです。スピードを求めずに、2〜3qの距離で始めます。この時期は本当に無理をせず、(スピードを出さずに)ゆっくりと犬にタグラインを強く引くことを教えることが大切です。頭数は4〜7頭で行い、4頭の場合は125t程度の軽めのバギーで、6〜7頭の場合は250t程度のバギーが良いでしょう。又、はじめの2週間は5回以上のトレーニングはしないこと。犬たちの筋肉痛が起きていないかを良くチェックすることが大切です。チェックの方法は、前肢と後肢の間隔を見ることです。筋肉痛のある犬は、間隔が通常より狭くなっているので、すぐ分かるはずです。この状態でトレーニングを重ねても、良いことは何もありません。もう一つ、パットや爪のチェックも忘れないで下さい。
トレーニング例(バギー)/◯×××◯×××◯×××◯◯×◯×××◯×◯×××◯◯××
* ◯・・・トレーニング日  ×・・・休息日

Bパワートレーニング

あくまでも筋力をつけていくトレーニングに徹する時期です。しっかりと強くタグラインを引くことを第1に教えること。この時期に犬たちがトレーニングに対して、楽しいイメージを持続しているチームであることが大切で、そのようなチームはこの時期のトレーニングで、この後必要とされるスピードを生み出すパワーを獲得します。つまり、 アティテュード(意欲) のあるチームを作る為に初期トレーニングから、このパワートレーニング迄の7〜8週間を費やしているようなものです。このアティテュードは、単にスタート前の意欲のことではありません。トレーニングの中で犬たちにとって最も疲労感の高まる時にこそ発揮される意欲のことを良いアティテュードと言えるのです。スピードは必要ありません。それよりも 走る筋力、ケガをしない為の筋力、そして繰り返されるトレーニングの中でアジリティー能力(ここではケガをする危険を避ける俊敏性と理解して下さい。)を高めるのが、この時期のトレーニング目的と考えてください。又、スタミナのことも心配ありません。この時期を上手く乗り切れば犬たちは、気温の経過と共に驚くほどスタミナをつけます。
「11月上旬〜11月下旬」

この時期徐々に距離を伸ばしてきて、バギトレで4〜6qになっているはずです。まだスピードは、20q/h以下に押さえるべきです。又、トレーニングの回数は、週に4回を超えないことをすすめます。ここでもタグラインが全てを物語ります。タグラインを犬が100%で引いているのか、95%で引いているのかをチェックすることがマッシャーの仕事です。見た目には殆ど違いはありません。でもその違いに気づかないマッシャーを犬は見分けます。95%でOKを出すマッシャーに対して、犬たちは決して100%の力を発揮しません。そして、殆どの犬たちはこの時期になると100%ではなく、95%で走りたがるし、マッシャーが気づかずにいると、いずれ60〜70%で済ましてしまいます。犬たちに騙されてはいけません。マッシャーは犬たちに100%と95%違いをちゃんと見抜けることを伝えることが大切です。時間にして15〜20分間程度のランがこの時期必要ですが、この短い時間の中で充分にこちらの能力を犬に伝えることが出来たら、そのチームはきっと良いレースシーズンを迎えることでしょう。
KEY WORD
※アティテュード・・・苦しい時にこそ頑張ろうとする意欲
※筋力・・・アティテュードを表現するための筋力であり、同時に捻挫・脱臼等を防ぐ筋力。
※アジリティー・・・ラフなトレイル上でアクシデントから身を守る俊敏性。

トレーニング例(バギー)/◯×◯××◯◯×××◯◯×××◯◯×××◯◯××◯◯××××◯◯××
Cスピード&エンデュランス

このステージは、秋期トレーニングの成果を発揮するものです。充分にコンディショニングされ、肉体的にシェイプアップされた犬たちはアジリティ能力を高め、今こそスピードに耐えられる能力を身につけました。この時期にチームの ベーシックペースが決まります。ベーシックぺースとは、チーム全体が犬ぞりで走るときの平均的なスピードのことで、これもバギートレーニングのスピードではなく、タグラインの張り方、つまり犬がいかに強く引くかによって決まります。とかく、スピードが上がってくるこの時期はマッシャーがタグラインの状態を見失いがちです。スピードの中でタグラインが矢のように強く張っているかを確かめでください。この時期、肉体的なエンデュランス(耐久力)は飛躍的に高まるはずです。しかし、エンデュランスはトレーニングの良し悪しで大きく差が出てきます。タグラインを良く観察して、正しいアティテュードを作り上げたチームは本当に飛躍的にチームのポテンシャルを高めるはずです。
「11月下旬〜12月下旬」

距離は5〜10q(犬ぞりの場合は、5〜15q)で、レースシーズンに狙っている種目によって異なります。トレーニング時間はランタイム 4DOGレースは15〜20分間 6DOGレースは20〜25分間 8DOGレースは25〜30分間のトレーニングが必要となります。スピードは30q/hを越えないこと。そして、インターバルトレーニングを取り入れることをすすめます。10分間走ったら1分間程度の休憩を挟むことで、タグラインの張りを保つことです。タグラインが弛むなら、その時点でインターバルをとることでベーシックペースを高い速度で維持できるようになります。回数は、週に4回を超えず、3日以上連続しないのが良いでしょう。つまり、トレーニングやレース後、犬は3日間はその筋力を維持します。3日以上の連続トレーニングは、筋力、スタミナを上昇させ、連続してトレーニングをすると疲労からそのアティテュードを失います。 *筋力*スタミナ*肉体疲労*精神疲労  これらのバランスを考えて、トレーニングスケジュールを組み立ててください。 トレーニング例(バギー)/◯××◯◯××◯×◯◯××××××◯×××◯◯××◯◯◯×××
3日間連続でトレーニングする場合は最終日を軽くするのが、ポイントです。(アティテュードを失くさない為に。)

この時期に注意しなければいけないのは、バギトレによる過労です。過労の兆候が見えたときには、思い切って1週間程度の休みを取る勇気が必要です。
D 犬ぞりトレーニング

いよいよ犬ぞりによるトレーニングが始まります。この時期までには、そのチームのポテンシャルはほぼ決定しています。後は、レースに向けてどの程度の距離を走るのかを計算して、 ベーシックペースの微調整を行うことです。ある程度長めの距離のトレーニングを行うことで、スタミナを補ったり、ベーシックペースを下げたり、逆に短めの距離を走らせることで、ベーシックペースを高めることもあります。このあたりは、マッシャーの判断によります。
「12月下旬〜」

この時期は、レースシーズンなのでレースの間の火曜又は、水曜日にトレーニングをするのが良いでしょう。マッシャーの作戦によって、トレーニングの内容は異なります。一番楽しく、マッシングをしながら思わず口笛が出てしまうのがこの時期のトレーニングです。

トレーニング例(犬ぞり)/◯××◯◯××◯×◯◯×××◯◯◯××××◯◯××◯◯◯×××


コマンドについて
筆者がよく使うコマンドの例 (英語は語感が柔らかく、スピードがあるので有効です。)
コマンド 意味 コマンド 意味
オーケー スタート(してもいいよ) ゲラップ (もっと)頑張って
ゴーホーム 早く戻ろう(ラストスパート) グッジョブ その調子だよ
ジー 右に曲がって ケアフル 足元に気をつけて
ハー 左に曲がって イージー ゆっくり落ち着いて
ゴアヘッド 走り出して ストレートアヘッド まっすぐ走って
ラインアップ (ラインを張って)並んで ウォー 止まって(いいよ)
食餌管理

とにかく、良いエサを食べさせてきちんと調整してあげることだよ。”
by Gareth Wright

1957年、ファーランデブーの優勝インタビューにて。
新聞記者に「どうしたらそんなに犬を速く走らせるとができるのですか。」と、聞かれて。



 食餌管理は、2つに1つです。あなたがペットを望むなら、ペットフードを与えれば良いだけです。市販のフードはどこにでも売られているし、そのまま与えるだけで済みます。大きな問題もありません。簡単でしかも経済的にも安上がりです。でも、あなたが優れたスポーツドッグを望むならミートダイエットを薦めます。
 ミートダイエットとは、元々肉食である犬に肉を中心とした食餌を与えることで、犬本来の能力を引き出す食餌管理方法です。特に、犬ぞりの様に、能力の限界を突き詰めるスポーツでは、栄養のバランスを科学的に食餌管理が必要となります。ここでは、日本で行われる6DOG、8DOGレース(10〜20q)用の食餌管理についてお話します。
 ミートダイエットは、主に @肉類 Aドッグフード B卵 Cレバー D水分 Eその他
を主体にします。肉食の犬は人と違い、脂質のの吸収率が高く、次にタンパク質、そして炭水化物の順で吸収し、エネルギーとして利用します。つまり、犬は脂質とタンパク質肉類を主食とし、炭水化物を副食とする動物なのです。ですから、市販のドッグフードだけでは、炭水化物の割合が50%を越える内容になり、消化器官に大きな負担をかけることになるだけでなく、脂質とタンパク質の絶対的な不足となるのです。(ペットの話ではありません。あくまでも、スポーツドッグの話です。)
 そこで、種類別に筆者が薦められる日本でのミートダイエットを例に挙げます。


@肉類

 鳥肉;日本では鳥肉が最も安く手に入ります。そして、何か一種類の肉をと言われれば、
    これが一番良いとされています。生で与えます。1s300〜500円
 牛肉;牛肉は、人間用では高価すぎて犬用には使えないし、その意味がありません。愛犬誌
    等で紹介されている犬用牛肉がベストでしょう。生で与えます。1s400〜600円
 羊肉;北海道では、手に入れ易い羊肉は生で与えます。犬にとって非常に都合の良い
    (脂質に富む)肉ですが、若干高価です。
 馬肉;高価すぎて、殆ど使用できませんが、犬にとっては大変良い肉です。生で与えます。
 豚肉;常識として豚肉は加熱処理しなければ使用できません。

Aドッグフード

 最低でも炭水化物の割合が50% を越えない製品を選んで下さい。1s100〜800円

 私のお薦めはズバリ、QC+というフードです。

筆者コメント
 日本ではほとんど市販されていませんが、知る人ぞ知る優れモノのドッグフードです。
 もちろん炭水化物は50%以下、脂質・タンパク質も非常に上質のモノを使用していて安心して使えます。
 筆者自身のスポンサーでもあるのでもっと宣伝しておきます。
 QC+の社長は、まじめな人で、20年以上務めた勤めた某有名ドッグフードメーカーを退職した後に、本当に良質のドッグフードを作ろうと、ご家族で小さな会社を起こしました。最新の設備と細心の品質管理を目指し、又、原料も他の多くのメーカーと違い、肉のパウダーを加工するのではなくて、自社工場で製粉化して、練るという念の入り用で間違いがなく、信頼できるポリシーを持った人です、ほんと。
 まだ小さなメーカーですが、アメリカの東海岸のドッグショーや、北部の犬ぞりでも大メーカーを相手に素晴らしい成績を残していて、これから絶対に有名になるドッグフードです。ちなみに、私はこのフードを犬ぞりの神様と呼ばれる、アラスカのジョージ・アトラ氏から紹介されました。普通のディスクドッグなら、ほぼこのフードだけでO.Kと言える内容になっています。
 ドッグフードにこだわりを持っている人は是非、使ってみて下さい。

 詳しくはSHOPを覗いてみて下さい。


B 卵

 よく知られているように卵は完全栄養食です。しかも、他の食品に比べ簡単に手に入り、安売りも多いので使い易い食品です。
固ゆでのゆで卵が、ベストです。ゆで卵は栄養価も落ちないし、よく言われるアレルギーの問題も解決できます。

Cレバー

 牛レバーが良いでしょう。牛レバーは、犬が必要とするビタミンを多く含み、他の食品から吸収仕切れなかった栄養素もレバーを使用しておくことで補給できます。

D 水分

 水は最も大切で、しかも最も安価な食品と言えます。スポーツドッグ(中型犬)の場合、水分として最低でも1日に2gは必要です。私の犬舎では、朝に1回、夕方の食事の後に約1gずつ与えます。しかし、真水の状態ではなかなか摂取しようとしないので、いろいろな方法で味付けして与えます。
ドッグフードを溶かしたり、コーンオイルを添加したり、又犬の食事を残しておき、水でのばして与えたりします。
又、ここで言う水は、20〜30℃に暖めて吸収しやすくして与え、通常、スープと呼んでいます。

 レース(ゲーム)前の水分補給
私はレース当日は、レースがスタートする2時間半〜3時間前に与えます。又、特に水分を欲しがる犬やレース当日の気温が通常より高い場合にはスタートの30分前位にコップ1〜2杯のスープを与えます。
(犬が水分を吸収するスピードは、研究が進んでいないので明らかではありませんが、経験的に1時間に300〜500tと考えられています。)

Eその他

 カルシウム・・・・ミートダイエットにカルシウムの添加が不可欠です。市販の物ではB.P.D.と言う製品がミネラル類も多く含み、使い易いと思います。
 コーンオイル・・・コーンオイルに含まれるビタミンE(リノール酸)は、犬にとって不可欠です。ドッグフードにも必ず含まれていますが、非常に酸化しやすい為に、添加してあげる必要があります。



Example  ドグタウン工房の食事
       (あくまでも、現役のそり犬やディスクドッグ達の例です。)

20頭分
   鳥 肉(ミンチ)  2s
   牛 肉(ミンチ)  2s
    卵 (ミンチ) 15個
   レバー(ミンチ)  0.5s
   QC+(ドッグフード)5s
   コーンオイル    1/3カップ
   ビタミン補給剤;レッドセル 1/3カップ
   ウィートジャームオイル 1/3カップ

これらに、若干の水分を加えて混ぜ合わせて、犬の大きさや体質に合わせ、量を加減して与えます。
同じ大きさの犬であっても、与える量が大きく違うことはよくあります。
常に、犬の状態を確かめながら与えます。

   (注1)上記の例は、ある1日の例で、気温や犬の状態、体質、犬の種類によって、大きく異なります。参考にする場合は、バランス(割合)をよく考えて、行ってください。

   (注2)ドッグフードの炭水化物の配合率が、50%を越えるような場合は、肉類がもっと必要になります。

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